皆様、いつもありがとうございます。
関東WORLD MUSICのメインキャスト座内オーディションの対応に入らせていただきました。主に、芝居と歌唱課題を拝見しましたが、各々が様々な解釈でセリフを表現していて、とても楽しませていただきました。台詞課題を貰ってから、自分なりにどうやって表現しよう?と、一生懸命考えて、練習をしてきたことが伺えました。
人の個性というのものは様々あると思いますが、役者にとっての個性とは?と考えた時に、僕が思うのは、ただ単純に顔や体型等の見た目や、声質や性格でだけではなく、台本を読んだ時にそれをどう表現するかという、思考の部分にこそあると思っています。
「私は身長が低いから」
「人より身体が大きいから」
「声が低いから」
人それぞれ、何かしらのコンプレックスを持っている方がほとんどだと思いますが、舞台での観客への説得力は、そうした外面的なものよりも、内面的な掘り下げこそが重要だと考えます。
役者が台本を与えられてから、その役をどう演じるのかを考え、掘り下げ、自分なりにその役に近づこうとする過程が、その人にしか出来ない唯一の表現となり、個性となるのです。
そう考えると、見た目のことは導入部分だけの些細な問題でしかないということに辿り着きます。逆に考えると、そういった内面的なことを突き詰めていないから、外面的な部分ばかりに目がいき、自分の本当の個性を見失ってしまうのです。
役に向き合うということは、自分自身の心と向き合う作業と繋がっています。今回のこのオーディションに向けて、多くのメンバーが少なからず自分自身と真剣に向き合う時間があったことでしょう。
これから各々が様々な結果を受けることになりますが、その時間は決して無駄なものではなかったということを知っていて欲しいと思います。そして夏の公演はこれからがスタートだということを感じながら、ひとりひとりが作品と、役と、自分自身と、そして仲間達と向き合う素敵な夏にして欲しいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。