今週末より、関西を皮切りにPROM公演が上演されます。今年からプロジェクトマネージャーを務める西村さんに話しを伺いました。
まずは簡単にプロフィールを。
小さい頃から歌や踊るのが好きで、習い事は水泳や英語、ジャズダンス、現代舞踊をやっていました。現代舞踊はいわゆるモダンダンスで母親から「やりたい?」ときかれて、体を動かすのは好きだったので「やりたいっ!」と言って、始めた感じでしたね。
高校3年生の時部活も終わり、習い事も落ち着いたタイミングでYTJがあるのを知って。進路も決まっていたので、新しく何かやりたいなと思っていて。その時はまだYTJプロがなかったので、YTJメンバーとして入会し、English Vocal Election(以下、EVE)やJapan Youth Dance Festival(以下、JYDF)、PROMにも出演していました。
その後スタッフになられた経緯は?
はい、大学が映像関連の学部だったので、これからも舞台に関わりたい思いがありました。それから大学2年生の頃にYTJプロができて、YTJでアルバイトとして働き、レッスンを持つようになって。メンバーはとにかく可愛くて、この子たちと一緒にいたいな、と思ってフルタイムを志しました。
何か特別なキッカケがあったというよりかは、これからもYTJで働きたいな、という思いが自然と芽生えたというか。アルバイトとして働いていたときもそうなんですが、現代舞踊をしていたときも、子どもたちに教える機会があったんですね。それもあって、教えることが楽しいと思うようになりました。
フルタイムになってからは、プロジェクトの仕事もするようになって。公演の制作側の仕事にもっと注力するようになったことが大きな変化でした。自分自身がYTJメンバーとして活動して、YTJプロとして最後に出た公演もPROMだったんですよ。大学の卒業式に出席して、終わったらYTJのリハに直行しました(笑)。
一つの区切りをつけて新たなスタートきるということを身をもって経験してしているので、PROMプロジェクトには関わっていたいという気持ちはあって。今このような形で携われるのはとてもありがたいです。
とても思い入れがある公演なんですね。PROMは具体的にどんな公演?
中学3年生卒業公演っていうのが1番のコンセプトで。YTJメンバーとして出演する最後の公演になります。中学3年生は進路を決める大切な時期。プロに進むメンバーもいれば、活動を終える子もいます。
メンバーだった経験があるから言えることなんですが、活動しているとYTJが生活の一部になるんです。基礎レッスンは週1回、中学生になると週2回あるので、毎週のレッスンがなければ、なにか物足りないな・・・って。それに、YTJの公演が無かったら寂しくなるんですよ。長年続けているメンバーは特にそう感じるかもしれないです。
彼らにとって環境が変わる時期に行う公演になるので、どんな道に進むにしろ、これまでの生活スタイルではなくなってしまうじゃないですか。なので、新たな道に進むことを、YTJが後押しするような、そんな公演になれればと。
あとは、ミュージカルなどのコンテンツを発表するだけではなくて、セレモニーの要素も含んでいるので、Certificate(以下、修了証)の授与もあります。"ショー×卒業式"がもう一つのコンセプトですね。
PROM公演は“節目”となる公演なんですね。YTJメンバーにとっては、どんな位置付けの公演でありたいと考えてますか?
メンバーがそれぞれの道や目標を決める公演といったらいいかなぁ。メンバーの声を聞いていると「PROMまで頑張ろう」や「PROM参加して次に繋げよう」と皆違います。
(今回は)休会中のメンバーでも出演できるので。YTJで培ったもの全てを、最後の最後で発表できる場になるので、キッカケは各々あると思いますがYTJメンバーとしては、本当に一つの節目になる公演かな。
今年のテーマは?
今年のテーマは「青春~A New Start〜」。卒業だけでなくて新たなスタート切って欲しい、という思いが強くて。YTJで学んだこと、ここで終わりじゃないんだよ!ってメンバーに伝えたかったんです。卒業するからこそ、新しいスタートを切れる。それに海外の“プロム”を意識して、出演者とお客様との関わりを持たせて、しんみり終わるよりかはワッと華やかでポジティブなものにしたくて。私がプロジェクトマネージャーを任されたタイミングも一つのきっかけだったので、今年はそこをフィーチャーしようということになりました。
テーマが変わったので、一部ショーの演目は「From Now On」から「Starting Now」に変わりました。新たなスタートを切ることに思いを込めたような振り付けにしていて。ぜひお客様には注目してみていただきたいです。
あとPROMに出演しているメンバーたちがこれまで関わった作品のメドレー、懐かしソングなどを毎年やっていて、今年もやります!保護者の方にも懐かしく思ってもらえますし、小学生のメンバーたちには「こんなのやるんだ!」と思ってもらえたり。YTJの歴史や彼らが歩んできた道が見えるような公演になっています。
これまでもレッスンに入ってメンバーに接してきたと思いますが、進路などを決める大事な時期を過ごす中学3年生のメンバーにはどのように接していますか?
まず、メンバーの話を聞いてみてからですね。その子に適した道に進んで欲しいと思うので。中学3年生は、本当に進路に悩んでいますね。YTJメンバーなら、YTJプロに行こうかどうか悩んでる子をよくみます。
悩みは人それぞれですけど、YTJプロになるかどうか迷っている子でいえば、練習についていけるか、高校に入った時の生活環境とYTJの活動が両立できるかどうか、とか。でも迷っているなら思い切ってチャレンジしてみて欲しいな、とも思います。悩む気持ちもすごく分かるけど、高校生になってどんな環境になるかもわからない。
だからこそ、まずはやってみて、自分の目標に合うか合わないかを始めてみてから考えるのでもいいんじゃないかな、と伝える時もあります。
これは私がメンバーだったからこそ言える話かもしれないんですが、中学生だけでなくメンバーには「なんでも話してね!」と伝えているんです。レッスンの内容や技術的なことだけではなくて。
例えば2月だったら「豆まきした?」「チョコもらったりした?」などの雑談(笑)。そうすることで、皆いろんなことを相談してくれたり、良い雰囲気でレッスンに入れますし、スタッフとしてはメンバー一人一人の個性が見えてきますね。
西村さんのようなスタッフさんがいることは心強いですよね。
そう思ってもらえたら嬉しいです。特に中学生は進路相談を受けることがよくあるので、それはきっと自分の経験があってこそ。メンバーの悩みを聞いて「ああ、そうだよね」と共感する部分ももちろんあって。そういう点では、自分の良さでもあるし、YTJメンバーを経験していて良かったなと感じる瞬間です。
ではこれまで悩んでいたメンバーが前向きになったり、成長したと感じたことは?
ずっと休会していたメンバーがいて。YTJプロに行こうかどうしようか悩んでいたのも知っていたんですが。休会中でも参加できるので、PROMのリハーサルを続けているうちに「YTJの活動を続けたい!」という思いが徐々に芽生えてきたみたいなんです。そして、今もYTJプロとして活動しています。
あとは各エリアで1人ずつ代表の挨拶があって、その文章を見た時、メンバーにとってYTJは本当に生活の一部を担っていて、成長してきたんだなと感じます。書いていることはメンバーによって違いますが、YTJに小さい頃から入ったことで引っ込み思案の私が前に出れるようになった、居場所を見つけた、とか言ってくれていますね。プログラムにもコメントを卒業メンバーからもらったりするんですが「私の土台はYTJです」と書いているのを見ますね。
学校の友達や環境と、YTJでは何が違う点は?
みんなで一つのことを作り上げること!私にとっては特にそう感じていて。本当に、青春といえばYTJと言ってもいいくらい。
私もメンバー時代の仲間と今も仲が良くて。しかも性別や年齢関係なく、一つのコミュニティとして成立しているんですよ。メンバーにとっても、きっとYTJが大事な存在だったんだな、と成長している姿をみて感じます。
では今回のPROM公演を通じて、どのように成長していってほしいですか?
そうですね…先ほども言った通り、PROM公演が新たな道に進むためのキッカケになればいいなと。
あとは、YTJで過ごす時間をおもいっきり楽しんでほしい。PROM公演を通して、あんなことやこんなことあったな、って思い出すはず。JYDFであればダンス、EVEだったら歌、公演であれば1つの作品に限られてしまいます。ですが、PROM公演の良いところは、ちょっとづつではあるんですが、今までやってきたことがすべて詰まっている公演です。
そうやって思い返しながら自分が成長したことを見つけて「頑張ってきたな」と自分で自分を認めてあげてほしいです。そしてそこで終わらず、次の道へ前向きに進んでいってほしいなと思います。
公演のみどころは?
今回関西と中部に関しては、プロ公演とPROM公演が同日に開催されます。一部がプロ公演、二部がPROM公演になります。
メンバーにはやはり先輩方の活動がなければ、自分たちの土台となる部分がないというところを感じてもらいたくて。これまでYTJを作り上げてきたメンバーと一緒に公演を盛り上げてほしいなと。YTJプロメンバーには切磋琢磨して、若い力やエネルギーをもらって公演に挑んでもらえたら。
プロ公演を見る方には、今後こういう舞台や活動をするんだな、と知ってもらえたら嬉しいですし、PROM公演では他の公演よりも1回みただけでYTJを知れる公演になっていることがポイントですね。
あと、お花の演出があるんですが、門出を祝うときにはお花がありますよね。例えば卒業式だけでなくて、結婚式、入学式、誕生日とか。それにお花はもらって嬉しいものなはず。歓談タイムがあるので、新たなスタートをお祝いする気持ちをお花にのせて、繋がりのあるメンバーに渡してほしいですね。それもただ渡すだけではなくて、日頃の感謝の気持ちや、応援や今後の目標だったり「〇〇みたいになりたい!」とか。想いを込めて、ぜひ卒業生に伝えてください!
最後に、PROMに出演するメンバーにメッセージをお願いします!
一つ一つの演目に、いままでやってきたことへの想いをこめて、まずは楽しんでほしいです!全力を出して公演を成功させること、スキルやクオリティもありますがそれよりも、今までやってきたことを楽しく。どんな思いでYTJで頑張ってきたのか、その頑張りをどのように活かしたいかとかが大切。そして心を込めて踊ってほしいなと思っています。
はつらつとインタビューに答えてくださった西村さん。
メンバーが最後の公演でどんな舞台をみせてくれるのか楽しみになりました。これからの活躍も応援しています。ありがとうございました!
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