麗かな陽気が続いたGWが明け、例年より早くやってきた大量の湿気が纏わりつく感覚に鬱々とする中スタジオでは、座内一色の日々が訪れました。
私が担当しているスタジオでは全ての選抜クラスと特別選抜クラスが開講しておりその合計所属人数は、80人を越えています。
メンバーの数だけ、これまでのヒストリーと、現在進行形のストーリーがあり...座内を通じて、数知れずの感動体験をいたしました。
高学年になればなるほどその姿に幼かった頃の影を重ねて輝かしい成長を眩しく感じるものですが
今日は、心にぎゅっと深い感動を覚えた小さな小さな成長について、お話しをしたいと思います。
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場面は、wordplayの座内オーディション。
とあるクラスでは、「スタジオ以外の大きな舞台に、立ったことがない!」「wordplayって、一体なんだろう!」「そもそもミュージカルって、何だ!?」とエンタメ界の雛鳥たちが、日々熱心に活動をしています。
今回座内オーディションに参加をしたメンバーの中には「今年こそ結果を残すぞ!」というベテラン勢に加え「とりあえず何事も挑戦だ!」と意気込む新メンバーも多数。
そんな挑戦者たちの、初々しくも頼もしい様子を見ながら(すでに感謝の気持ちではち切れそうだったのですが)「失敗は気にしなくて良いから、諦めずに挑戦してね!」と、何度も声を掛けて座内オーディションをスタートさせました。
舞台にも魔物が潜むように座内にも、自分ではどうにもならない瞬間が訪れます。
いざ、歌いはじめると、、、
緊張で声は震え覚えていた歌詞は消え去り自分の耳が驚くような旋律を奏で表情は戸惑いで覆われる今にも大粒の涙が溢れそうなメンバーたち...
でも、決して最後まで投げ出すことはせず「ありがとうございました」の挨拶をするところまでしっかりと全うしてくれました。
指導スタッフとしては、「もっと一緒に練習ができていれば..!」と思うべきではありますがなんだか私はその姿を、愛おしく感じていました。
孵化の瞬間に立ち合ったような、"誕生"の感覚に近いものがあります。
「あぁ、この子たちの成長はここから始まるんだな」というスタートダッシュを切った瞬間を肌で感じたことに言い表せ無いほどの感動を覚えました。
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長い人生の中で、最初の一歩を踏み出す瞬間には計り知れないほどの大きな勇気が要りますがその勇気に掛けた熱意は想像もしなかった未来を連れてくると感じています。
今回の挑戦を経て、このメンバーたちはどんなストーリーを歩いていくのだろうとこれからの成長が本当にたのしみです。
早くもじーん。。と胸を打つ時間が押し寄せていますが改めてこの夏を最高の時間にするぞ!と自身の決意を確固たるものに後押ししてくれた時間でした。
皆さまはこの座内の期間どんな感動体験がありましたでしょうか?
この夏も、どうぞよろしくお願いいたします!
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追伸
昨日レッスン内で一緒に結果を確認したところ嬉しくて顔をくしゃっとさせて笑うメンバーもいれば悔しくて悔しくて、ポロポロと涙を流すメンバーもいて一緒に喜び合ったり慰めあうシーンもありその純粋さや素直さに、一層心暖まりました。