To the Point of Breaking ~限界までチャレンジすること~

投稿日:
2023-04-17
更新日:
2024-02-16
劇団代表ブログ
チャレンジ精神
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おはようございます。

先日、ガラス工芸家デイル・チフーリ(Dale Chihuly)さんの展覧会にいきました。

犬が入っても中に座れるほど大きいガラス器や、1000個のガラスからできているすごく大きくて複雑な作品、映画「アバター」の惑星に出てきそうな植物に見える作品などがありました。

また、ガラス作成の説明と動画も見ましたが、光っている熱い液体状のガラスを持つと、5分以内にはとても綺麗な馬や鳥などの像になっていました。

参加している芸術家達は10年以上ガラス製作の経験があり、作品作りの難しさについて語っていて「ガラスを学び始めて最初の2年間ぐらいは、ほとんどの作品がすぐ割れる」と言っていました。つまり、綺麗な手作りガラス作品を作るためには、すぐに割れるものを2年間作り続けなければならないのです。

幸いなことに、演劇はガラスよりハードルが少し低いですが、達人になるためには同じぐらい難しいと感じています。

例えばミュージカルを学ぶ最初の何年間、歌だと時々音程が外れ、演技だとセリフを時々に忘れ、ダンスだと振り付けを時々間違えることが普通だと思います。

芸術を学ぶとき、最初にできないことが「才能ない」という意味ではなくて、普通なことです。

ガラス工芸同様、YTJの活動もそうだと思います。

出来ないことがあるからやめるではなくて、出来ないことがあるからこそ出来るようになるまで頑張るのが成長につながる考え方で、YTJが大事にしているゴールセッティングです。

また、出来ないかもしれないことに挑戦するのは、アマチュアやプロを問いません。

ガラス工芸家のチフーリさんは、有名な大人のプロであっても常に新しいことにチャレンジしています。もしかすると、常に新しいことにチャレンジしているからこそ有名なプロなのかもしれません。

彼のやり方は「割れそうになるところまで進む」。

つまり、自信を持って絶対に割れないといえる作品が出来ても満足せずに、作れるか分からないほどの難しい作品づくりに常にチャレンジする。

例えば、70センチの器を絶対に作れるなら、割れるかもしれないけど、1メートルのサイズの器をチャレンジするそうです。

YTJでプロを目指している、またそうでないメンバーが両方います。

その多様性を大事にしてはいますが、たとえプロを目指さなくても、できるように頑張るのは大事な人生のスキルであり、常にチャレンジしているメンバーを育てていきたいと考えています。

もちろん自身の体や声を守ることは大事ですので、健康の限界ではなくて、スキルの限界まで進みたいです。できるかどうかわからないステップ、出せるかどうかわからない音程、正しく覚えてうまく言えるかどうかわからないセリフ、全部をチャレンジできる環境を目指したいです。

最初の何年間かは失敗するかもしれませんが、チフーリさんの作品のように美しく、今までこの世になかったものを造れるかもしれません。

Push your art to the point of breaking. Do not break yourself. Break your previous limitations.

劇団代表

グレゴリー・ウルフ